最近話題のOpenClawを、Windows上でできるだけ安全に動かす方法を解説します。ここではWindowsでMultipassを使っていますが、WSLでもネイティブのLinuxマシンでもMacのLimaでも進め方は同じだと思います。
Multipassインスタンスを作る
OpenClawではAIにPCの操作権限を渡すため、AIがアホだったり人間が指示を間違えるとPCを壊されたり、何かとんでもないことをやらかす危険性があります。そのリスクを最小限にするため、WindowsPC内に、Windowsから独立したLinux環境を作り、そこにOpenClawをインストールしていきます。そこで使うのがMultipassです。Multipassを使うと簡単にUbuntu仮想環境を作ることができます。
私は今回、Windows11Pro Hyper-V導入済み環境で動かしていきます。VirtualBoxでも動くので、Hyper-Vが動かないエディションではVirtualBoxをインストールしておきましょう。(面倒ならWSLでもいいかもしれないけど、Windowsと密に連携してる部分があるので要注意)
作業を始める前にWindowsのターミナルアプリのコピペ方法を説明します。
文字列のコピーはShiftキーを押しながらマウスカーソルを動かして文字列を選択し、Ctrl+C。
文字列の貼り付けは右クリック、またはCtrl+V。
今回の作業ではよく使うので覚えておきましょう。
ではMultipassをインストールします。管理者権限のPowerShellを立ち上げます。
winget install Canonical.Multipass
コマンド一発でインストールできます。管理者権限が必要なのはここまでです。
管理者権限ターミナルを閉じて、普通のターミナルを開きます。(普通のターミナルのほうがフォントが綺麗です)
では次にUbuntuインスタンスを作ります。
CPUは4コア、RAMは8GB、ストレージは40GBにします。
multipass launch --name openclaw --cpus 4 --memory 8G --disk 40G
少し待つとLaunchedと表示されます。multipass listでステータスを確認できます。
> multipass list
Name State IPv4 Image
openclaw Running 172.28.129.101 Ubuntu 24.04 LTS
すでにRunning、実行中です。Ubuntu 24.04 LTSの仮想マシンがWindowsの上で動いています。
multipassの覚えておくべきコマンドは次の通りです。
| コマンド | 内容 |
|---|---|
| multipass shell インスタンス名 | シェルに入る。 |
| multipass stop インスタンス名 | インスタンスを止める。 |
| multipass start インスタンス名 | インスタンスを起動する。 |
| multipass restart インスタンス名 | インスタンスを再起動する。 |
| multipass delete インスタンス名 | インスタンスを削除する。 |
ただ単にmultipassコマンドを実行するとヘルプが出てくるので、そこで他のコマンドも確認できます。
ではシェルに入ってみます。
> multipass shell openclaw
Welcome to Ubuntu 24.04.4 LTS (GNU/Linux 6.8.0-101-generic x86_64)
* Documentation: https://help.ubuntu.com
* Management: https://landscape.canonical.com
* Support: https://ubuntu.com/pro
System information as of Fri Mar 20 21:20:45 JST 2026
System load: 0.0 Processes: 123
Usage of /: 5.0% of 37.70GB Users logged in: 0
Memory usage: 3% IPv4 address for eth0: 172.28.129.101
Swap usage: 0%
Expanded Security Maintenance for Applications is not enabled.
51 updates can be applied immediately.
46 of these updates are standard security updates.
To see these additional updates run: apt list --upgradable
Enable ESM Apps to receive additional future security updates.
See https://ubuntu.com/esm or run: sudo pro status
To run a command as administrator (user "root"), use "sudo <command>".
See "man sudo_root" for details.
ubuntu@openclaw:~$
Ubuntuインスタンスにログインできました。
Windowsとは独立した仮想マシン環境なので、OpenClawに暴れられてもWindowsPCを壊されることはないはずです。ネットワークアクセスによって悪さをされる可能性と、AIモデルのAPI料金で破産させられる可能性だけ注意しましょう。
事前準備
OpenClawのインストール前にやっておくことが3つあります。
AIモデルのAPIキーの取得
今回はGeminiのAPIキーを使用します。Google AI Studioで取得してください。とりあえず無料枠でもいいんですが、有料登録で300ドルの無料クレジットがもらえる(はず)ので、有料登録がおすすめです。
今回はGeminiを使いますが、もちろんOpenAIやAntholopicのAPIを使ってもいいです。そちらのほうが適しているタスクもあるはずです。
npmのインストール
Ubuntu内にNode.js 24をインストールします。コマンドは次の通り。
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.40.4/install.sh | bash
\. "$HOME/.nvm/nvm.sh"
nvm install 24
node -v
npm -v
node -v で v24.14.0、npm -v で11.9.0 が表示されたら成功です。
チャットチャンネルの準備
本記事ではTUIを使う設定をするので不要なのですが、DiscordやSlackなどのBotとして使うのが非常に便利です。
あとからでも設定できるので、とにかく動かしたいという場合はチャットチャンネル無しでTUIで動かしましょう。
OpenClawインストール
ではいよいよOpenClawをインストールします。公式のインストールガイドの通り、コマンドを実行します。
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
コマンドを実行して1分ほど待つとonboard(環境構築、で合ってるかな?)が始まります。

ここでは基本動作だけやる設定で進めます。なおこのonboardは何度でもやりなおせます。やり直す際はシェルでopenclaw onboardを実行してください。
onboardは次のように進めました。
◆ I understand this is personal-by-default and shared/multi-user use requires lock-down. Continue?
│ ● Yes / ○ No
◆ Onboarding mode
│ ● QuickStart (Configure details later via openclaw configure.)
│ ○ Manual
◆ Model/auth provider
│ ○ OpenAI
│ ○ Anthropic
│ ○ Chutes
│ ○ MiniMax
│ ○ Moonshot AI (Kimi K2.5)
│ ● Google (Gemini API key + OAuth)
│ ○ xAI (Grok)
◆ Google auth method
│ ● Google Gemini API key
│ ○ Google Gemini CLI OAuth
│ ○ Back
◆ How do you want to provide this API key?
│ ● Paste API key now (Stores the key directly in OpenClaw config)
│ ○ Use external secret provider
◆ Enter Gemini API key
#ここでAPIキーをペースト(Windowsターミナルなら右クリックでペースト)
◆ Default model
│ ○ Keep current (google/gemini-3.1-pro-preview)
│ ○ Enter model manually
中略
│ ○ google/gemini-2.5-pro
│ ○ google/gemini-2.5-pro-preview-05-06
│ ○ google/gemini-2.5-pro-preview-06-05
│ ○ google/gemini-3-flash-preview
│ ○ google/gemini-3-pro-preview
│ ● google/gemini-3.1-flash-lite-preview (Gemini 3.1 Flash Lite Preview · ctx 1024k · reasoning)
│ ○ google/gemini-3.1-pro-preview
◆ Select channel (QuickStart)
│ ○ Telegram (Bot API)
│ ○ WhatsApp (QR link)
│ ○ Discord (Bot API)
中略
│ ● Skip for now (You can add channels later via `openclaw channels add`)
◆ Search provider
│ ○ Brave Search
│ ● Gemini (Google Search) (Google Search grounding · AI-synthesized)
│ ○ Grok (xAI)
│ ○ Kimi (Moonshot)
│ ○ Perplexity Search
│ ○ Skip for now
◆ Gemini (Google Search) API key
#先ほどのGemini API keyと同じものが使えます。
◆ Configure skills now? (recommended)
│ ○ Yes / ● No
◆ Enable hooks?
│ ◻ Skip for now
│ ◻ 🚀 boot-md
│ ◻ 📎 bootstrap-extra-files
│ ◼ 📝 command-logger (Log all command events to a centralized audit file)
│ ◼ 💾 session-memory (Save session context to memory when /new or /reset command is issued)
◆ How do you want to hatch your bot?
│ ● Hatch in TUI (recommended)
│ ○ Open the Web UI
│ ○ Do this later
これで設定は完了で、TUI(ターミナルUI)が起動します。TUIはこのようなものです。

このTUIでチャットができます。もちろん日本語入力もできます。終了するときは /quit です。
スラッシュコマンドといって、スラッシュを打つとコマンドの候補が表示されます。
ここから先はOpenClawとチャットをしながら自由にカスタマイズしていくだけです。
なお、今回はDiscordなどの設定をしていませんが、一度TUIを/quitで終了し、openclaw onboardコマンドを打つことでこの環境設定をやり直すことができます。DiscordのBotづくりなどは事前準備が結構面倒ですが、TUI以外でAIと連絡を取り合えるのは非常に便利ですので、ご自身が使うツールで設定することをお勧めします。
いくつか引っ掛かった場所
当初うまく動かせなかったことがあり、その時の解決方法を書いておきます。
環境変数が読み込まれない場合
環境変数は~/.openclaw/.envという隠しファイルにexportで指定します。
その後、openclaw gateway restartコマンドを実行します。
OpenClawがOpenClaw自身の機能を使いこなせない場合
チャットで次のように伝えます。
(Discordの設定が上手くいかない場合)
https://docs.openclaw.ai/channels/discordをweb_fetchして、何をどう設定すればいいのか教えて。
web_fetchによってAIにOpenClawの公式ドキュメントを読ませます。賢いAIモデルであれば、解決方法を提示してくれたり、自己解決してくれたりします。

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