ASEでLAMMPSのデータを作って可視化する

ASEでLAMMPSのデータを作って可視化する

LAMMPS

PythonのASE (Atomic Simulation Environment) でLAMMPSのデータファイルを作って可視化してみます。

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書いたコード

メタノール(CH3OH)の分子を64個作ってみます。

from ase import Atoms
from ase.visualize import view
from ase.build import molecule
import numpy as np

methanol = molecule("CH3OH")
print(methanol.get_chemical_symbols())

unitcell_size = 5.0
unitcell = Atoms(symbols=methanol.get_chemical_symbols(), positions=methanol.get_positions(),
                  cell=np.eye(3) * unitcell_size, pbc=True)

mdcell = unitcell * [4, 4, 4]

mdcell.write("methanol_64.data", format='lammps-data', units="real", atom_style="full")
view(mdcell)

methanolがメタノール分子、それを1つセルの中に入れてunitcellとしています。unitcell_sizeの5.0は適当です。それを4x4x4で積層しています。4x4x4で64個の分子ができます。
積層したセルがmdcellで、これに対して.write(ファイル名, format=”lammps-data”) を実行することでLAMMPSのデータファイルが出力されます。
ここでunitsとatom_styleを指定しています。atom_styleはatom, full, chargeの中から選べます。
また最後にviewで可視化します。

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実行

実行するとLAMMPSのデータが出力され、構造のViewerが出てきます。

メタノールのセル
右クリックを押しながら回転

こんな感じで可視化ができます。右クリックを押しながら回転させられます。
分子同士の距離は大丈夫そうですね。あまり近すぎると計算が破綻しますし、遠すぎると密度緩和に時間がかかってしまいます。
unitcell_size=5.0で分子1個当たりのセルサイズを指定していたので、問題がある場合はこの値を調整します。

出力したLAMMPSのデータファイルは以下の通りです。

methanol_64.data (written by ASE) 

384 	 atoms 
3  atom types
0.0                      20  xlo xhi
0.0                      20  ylo yhi
0.0                      20  zlo zhi



Atoms 

     1   0   1   0.0   -0.047130999999999999     0.66438900000000001                       0
     2   0   3   0.0   -0.047130999999999999    -0.75855099999999998                       0
     3   0   2   0.0     -1.0929949999999999     0.96978500000000001                       0
     4   0   2   0.0     0.87853400000000004     -1.0484579999999999                       0
     5   0   2   0.0     0.43714500000000001                1.080376     0.89177200000000001
     6   0   2   0.0     0.43714500000000001                1.080376    -0.89177200000000001
     7   0   1   0.0   -0.047130999999999999     0.66438900000000001                       5
     8   0   3   0.0   -0.047130999999999999    -0.75855099999999998                       5
以下略

このように原子の座標が書かれます。
Atomsセクションは左から順に原子ID分子ID元素部分電荷X Y Z座標です。

元素が数字で書かれていて分からないので解読します。
先ほど実行したプログラムではprint文で [‘C’, ‘O’, ‘H’, ‘H’, ‘H’, ‘H’] を出力していましたが、このAtomsはこの順番に書かれています。
つまりこうなります。

COHHHH
132222
元素と番号の対応

というわけで、元素を1 2 3の順で書くとC H Oとなります。
ちなみにこのデータファイルにはBondはなく、分子グループの定義もされていません。
ファイル出力をfullで行ったとしても分子としてのデータはありません。

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バグ?

実はこのデータファイルにはMassesがありません。
公式のドキュメントには masses=True のオプションがあり、おそらくこれをやるとMassesが書かれるのですが上手く動きませんでした。

mdcell.write("methanol_64.data", format='lammps-data', masses=True, units="real", atom_style="full")

元素はC H Oなので、仕方ないのでデータファイルの zlo zhi と Atoms の間に手書きします。

Masses

1 12.011
2 1.008
3 15.999

そしてこちらのファイルをReaxFFで計算してみました。

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