PythonのASE (Atomic Simulation Environment) を使ってQuantum ESPRESSOの入力ファイルを可視化したいと思います。
- 環境
- Windows11
- Python 3.11.4
ASEのインストール
WindowsのコマンドプロンプトでPythonを動かします。WSLではなくネイティブのWindowsです。
前提は、Python3.8以上、NumPyとSciPyが入っていることです。
またMatplotlibやtkinterはオプションですが、今回の目的は可視化なのでこれらも入れておきましょう。
Windowsの場合、NumPy、SciPy、Maptlotlibはpipで入ります。
pip install パッケージ名
pip install パッケージ名 --proxy="http://プロキシサーバ:8080" (プロキシの場合)
ASEのインストールは
pip install --upgrade ase
です。公式では
pip install --upgrade -user ase
ですが、このように-user
が付くとASEの付属プログラムが %APPDATA%/Python/Scripts
にインストールされます。私は-user
なしでインストールしました。
QEの入力ファイルの可視化
適当なファイルということでAUSURFを取ってきましょう。
ここのausurf.inをダウンロードし、ASEで表示します。
ase gui ausurf.in
なんかズレてますね。ausurf.inを見ると分かりますが、座標の数値がセルサイズよりも大きいです。これはこれで正しい表示ですが、セルの中にwrapしましょう。
Edit > Edit cell で Cell Editor を開き、Wrap を実行して×で閉じます。
いい感じに可視化できました。
キーボードのX Y Zや1 2 3、マウスの右クリックやホイール回転で視点を操作できます。
以上のように、ASEのGUI機能によってQuantum ESPRESSOの入力ファイルを簡単に可視化することができました。
リッチな3Dグラフィックというわけではないですが、このチープさが必要な場面はありますよね。
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