XRDの回折パターンはLAMMPS内の機能で計算できます。
MD計算によって作られた構造がどのようなXRD回折パターンを持つのかを調べることができます。
XRD計算コマンドの詳細はこちらです。
これを踏まえて、以下のようなコマンドを例に解説します。
compute 3 all xrd 1.5418 Si 2Theta 10 100
fix 3 all ave/histo/weight 200 5 1000 10 100 90 c_3[1] c_3[2] mode vector file Deg2Theta.xrd
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1.5418はLambda(波長)で、CuKα特性X線の1.5418Åのことです。
Si はMDサンプルに含まれる元素を書きます。使用できる元素名はドキュメントに一覧があります。複数の元素が含まれる場合は Si O のように列挙します。
2Theta 10 100 は、探索する2θの範囲が10°から100°を指定しています。
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computeで計算されたXRDを平均して書き出す処理です。
200 5 1000 は、200ステップ毎に5回サンプリングしてヒストグラムを作り、1000ステップ毎に書き出す、という意味です。
10 100 90 は、10から100までを90分割してヒストグラムを作る、という意味です。
計算すると以下のような内容のDeg2Theta.xrdファイルが作成されます。
# Histogrammed data for fix 3
# TimeStep Number-of-bins Total-counts Missing-counts Min-value Max-value
# Bin Coord Count Count/Total
1000 90 12937732.565422004 0 10.861373009188739 99.98374956696227
1 10.5 477.157 3.68811e-05
2 11.5 0 0
3 12.5 2926.32 0.000226185
4 13.5 2304.8 0.000178146
5 14.5 0 0
6 15.5 787.785 6.08905e-05
7 16.5 2963.75 0.000229078
:
:
出力結果は5行目以降の部分で、左から番号、2Theta、カウント、カウント/全カウント です。
2Thetaとカウント/全カウントでグラフを描くと、

これが妥当な結果なのかは分かりませんが、とりあえずそれらしい結果が出ました。
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