今回は、2026年5月31日から6月6日までに確認できたMI関連トピックをまとめます。 今週は新しい大規模論文ラッシュというより、企業発表、基盤ソフト更新、今後のイベント情報が目立つ週でした。材料開発の実務に近い話題を中心に整理します。
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今週の要点
- スペースシードホールディングスは 2026年6月1日、AI が挙げた候補から「実際に作れる材料候補」を絞り込む合金MI探索システムを発表しました。材料AIを製造制約へ接続する実装寄りの話題です。
- MI-6 は 2026年6月2日、
MI Conf 2026の開催を発表しました。政策、研究機関、企業実務の登壇者がそろっており、国内MI動向をまとめて追いやすいイベントです。 RDKitは 2026年5月29日に2026_03_3を公開しました。性能改善と不具合修正が中心で、ケモインフォ基盤の更新として押さえておきたい内容です。- 研究枠では、数値表データの類似検索と整列を扱う preprint が公開されました。materials informatics を含む複数データセットで評価しており、データ探索基盤寄りの題材です。
- 9月開催の主要学会として、高分子討論会、応用物理学会秋季学術講演会、日本金属学会秋期講演大会の情報を確認しました。
企業・研究機関の動向
スペースシードHD: 合金MI探索システムを自社構築
スペースシードホールディングス株式会社は 2026年6月1日、“作れる材料候補”を選び抜く合金MI探索システムを自社構築し、複数材料系で動作確認したと発表しました。 今回のポイントは、AI が大量に提案した候補をそのまま並べるのではなく、自社の製造装置で実際に製造可能な候補へ絞り込むことを前面に出している点です。
発表では、このシステムを素材開発におけるソフト側の基盤と位置付けており、今後は半導体を含む新素材分野で、設計と検証の両面をつなぐ体制を目指すとしています。 材料MIでは「予測できる」ことと「作れる」ことの間に距離が残りやすいため、その差をどう埋めるかを見るうえで気になる発表です。
参考: PR TIMES
研究・論文
Statistical Embeddings: 数値表データの検索と整列を扱う preprint
arXiv では 2026年5月28日、Statistical Embeddings for Similarity, Retrieval, and Interpretable Alignment of Numeric Tabular Datasets が公開されました。 この研究は、数値表データを探索的データ解析ベースの記述子に変換し、それを埋め込み空間へ写像して、異種データセット間の類似検索や対応付けを行う手法を提案しています。
要旨では、一般的なベンチマークに加えて materials informatics や nuclear-grade graphite characterization を含む 15 データセットで評価したとされており、材料データを横断的に検索・比較したい場面と相性がよさそうです。 モデルそのものというより、データ探索や retrieval-augmented generation の前段をどう作るかに近い話題として見ておきたい preprint です。
参考: arXiv
ツール/基盤ソフト更新
RDKit 2026_03_3: 性能改善と不具合修正が中心の更新
RDKit は 2026年5月29日、2026_03_3 (Q1 2026) Release を公開しました。 今回の更新では、CIP labeller の処理改善、synthon substructure search の高速化、Mol.GetProp() の Python インターフェース拡張に加え、描画や MolToSmiles 周りの不具合修正が入っています。
材料MIに直結する専用機能ではありませんが、分子表現や検索、前処理に RDKit を使う場面は多く、こうした基盤更新は実務上の影響がじわりと大きいです。 特に、探索や特徴量計算の前段で RDKit を使っているワークフローでは、性能改善と既知不具合の修正をまとめて確認しておきたいリリースです。
参考: RDKit Releases
現在受付中のセミナー・学会情報
2026年6月6日 時点で、開催日が今後3か月以内にあるイベント情報を掲載します。
MI Conf 2026
- 開催日: 2026年7月15日(水) 13:00-17:00
- 開催形式: オンライン
- 参加費: 無料
- 主催: MI-6株式会社
- メモ: 今年で4回目のMI特化カンファレンスです。経産省、文科省、NIMS、九州大学、企業実務者が登壇予定で、AI for Science からフィジカルAIまでを議論するとしています。
参考: PR TIMES
第75回高分子討論会
- 開催日: 2026年9月2日(水)- 9月4日(金)
- 会場: 東京理科大学 葛飾キャンパス
- 参加登録: 事前参加登録は 2026年7月16日まで
- メモ: 高分子材料の設計、解析、評価に関する話題をまとめて追いやすい秋の主要イベントです。
参考: 高分子討論会
第87回応用物理学会秋季学術講演会
- 開催日: 2026年9月8日(火)- 9月11日(金)
- 会場: 北海道大学 札幌キャンパス / オンライン
- 参加申込: 早期割引は 2026年8月20日まで
- メモ: 材料、デバイス、計測をまたぐ大型学会です。材料MIそのものに限らず、周辺分野の応用先や産業動向も拾いやすいイベントです。
参考: 応用物理学会秋季学術講演会
日本金属学会 2026年秋期講演大会
- 開催日: 2026年9月23日(水)- 9月25日(金)
- 会場: 秋田大学 手形キャンパス
- 詳細: 日本鉄鋼協会との共同開催、企業展示あり
- メモ: 金属材料寄りの研究発表に加えて、共同セッションや展示もあり、実務に近い視点で見やすい秋季大会です。
参考: 日本金属学会 講演大会ページ 参考: 大会詳細ページ
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