MIニュース 2026年9月版

ニュース

今回は、2026年9月に公開されたMI関連トピック7件を取り上げます。ENEOSによるOER触媒の大規模探索、実験化学者向けのMatlantis新機能、機械学習を用いたチタン合金設計に加え、機械学習原子間ポテンシャル(MLIP)の評価・学習データと計算ソフトの更新がありました。

前回の記事はこちらです。

MIニュース 2026年8月版
2026年8月1日から8月29日までに公開されたMI関連の企業動向、研究・論文、DeePMD-kit、OpenMM、pymatgen-coreなどのソフトウェア更新をまとめます。
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企業・材料開発の動向

ENEOSが約1億の構造を評価し、OER触媒候補を絞り込み

ENEOSホールディングスは、Matlantisの汎用MLIP「PFP」とNVIDIA ALCHEMIを組み合わせ、酸素発生反応(OER)触媒について約1億の候補構造を仮想スクリーニングしました。Matlantisの発表によると、合成・実験検証に進める候補を抽出し、従来は数年を要した探索工程を数か月に短縮しています。今回の発表は計算による候補選別の成果であり、触媒性能の実験的な実証結果を報告したものではありません。

ソースURL: https://matlantis.com/ja/news/release-260917/

Matlantis、実験化学者向け「Case Studio」の共同実証を発表

Matlantisはレゾナックとの共同実証を通じ、実験化学者が既存の計算事例を選び、AIとの対話で条件を調整して実行できる「Matlantis Case Studio」を開発しました。4回の実証では、計算科学を専門としない研究者が初見で計算を完走できたとしています。α版の提供は発表時点では予定段階で、一般提供開始の発表ではありません。

ソースURL: https://matlantis.com/ja/news/release-260916/

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研究・論文

高スループット実験と機械学習でTi合金の組成・造形条件を探索

9月25日に公開された『Nature Materials』論文では、Ti–Al–Cr合金118試料について、組成とレーザー粉末床溶融結合の造形条件を変えた実験データを収集し、機械学習で強度を予測しました。候補を実験で検証した結果、10 nm未満の積層帯をもつ組織が形成され、引張強さ1.7 GPa超と約7.5%の均一伸びを報告しています。組成だけでなく製造条件も同時に設計変数とした点が、この研究の特徴です。

ソースURL: https://www.nature.com/articles/s41563-026-02749-6

HetCat26:汎用MLIPの触媒系への転用性能を比較

9月公開のプレプリント「HetCat26」は、15種類の基盤MLIPを、不均一触媒の表面エネルギー、吸着、金属・酸化物界面、反応ネットワークで評価しました。一般的な材料ベンチマークの成績は、触媒系での性能を十分に予測せず、とくに吸着と安定サイトの予測に課題が見られました。触媒計算に汎用モデルを採用する際は、対象反応に近い検証が必要だと分かります。

ソースURL: https://arxiv.org/abs/2609.30621

SoLiD26:固液界面の第一原理計算データを公開

9月公開のプレプリント「SoLiD26」は、最大576原子、15元素にわたる1,540万の第一原理計算構造を集めた固液界面データセットを報告しています。水溶液中の金属界面や電極・電解液系を含み、各構造には原子配置、エネルギー、力などを収録。MACEモデルによる学習・評価例も示されており、電気化学や腐食などの界面を対象とするMLIP開発の基盤になります。

ソースURL: https://arxiv.org/abs/2609.28013

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ツール・基盤ソフト更新

LAMMPS、9月30日版stableを公開

LAMMPSは9月30日版のstable releaseを公開しました。前回stableから約7,400コミットを含み、KOKKOS対応スタイルの倍増、6つの新パッケージ、GRAPHICSパッケージによる可視化機能の拡充などが盛り込まれています。導入時には、C++17対応コンパイラとCMake 3.20以降が必要で、KOKKOSにはC++20が必要になった点を確認してください。

ソースURL: https://github.com/lammps/lammps/releases/tag/stable_30Sep2026

pymatgen v2026.9.23、XRD計算とDFT混合処理を更新

pymatgen v2026.9.23では、X線回折パターン計算で原子散乱因子を元素ごとに計算する方式へ変更し、大規模構造での実行時間とピークメモリを削減しました。GGAとr²SCANの計算結果を組み合わせる処理では、入力順によって異なる結果が出る問題も修正されています。過去の混合エネルギー結果を再計算すると、安定性評価が変わる可能性がある更新です。

ソースURL: https://github.com/materialsproject/pymatgen/releases/tag/v2026.9.23

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2026年の国内学会情報

MI、計算化学、材料科学に関連する国内学会・討論会は、年間記事に集約しています。開催日や参加登録などは、こちらをご確認ください。

2026年版 MI・計算化学・材料科学に関連する日本の学会一覧
2026年に日本で開催される、マテリアルズインフォマティクス、計算化学、材料科学に関連する学会・討論会を開催月別にまとめます。開催日、会場、対象分野、講演・参加申込情報、公式サイトを確認できます。

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